こんにちは!486です!
サーフィンがオリンピック競技のひとつとしては採用されましたが、初見だと見どころがどこにあるのかがわかりづらいと思います
この記事ではかなりざっくりとですが、競技サーフィンのルールや見どころについて紹介していきます
競技サーフィンの基礎
競技サーフィンでは採点方式で行われ、ジャッジと呼ばれる審判は5人います
ジャッジは選手たちのライディングを見て、そのライディングに対して点数(スコア)をつけます
各ジャッジの付けたスコアから最高スコアと最低スコアを外して残ったスコアの平均がライディングのスコアとなります
1本のライディングの最高得点は10点満点で、得点の高いライディング2本の点数の合計が選手の得点となります(20点満点)
選手達はジャッジがどの選手のライディングが判断し易くする為、ラッシュガードと呼ばれるカラフルなゼッケンを着ます
競技は海の沖で行われるので見たい選手のゼッケンの色を知っておけば、観戦時に見つけやすいです
ヒート
競技サーフィンはヒートと呼ばれる試合の組み合わせで行われます
競技時間は20~30分で2~4人で行われ、大会や参加人数そして波質により決められます
基本的に協議はトーナメント方式で行われ、1回戦は1ラウンドという呼び方をします
例えば1回戦の初回の組み合わせは“1ラウンド1ヒート”と呼ばれ、1ラウンドを4名で行った場合は得点の高い上位2名が次のラウンドに勝ち上がる事になります
採点基準
サーフィンの採点基準は波を多く乗ればいいわけでも波を長く乗ればいいわけでもありません
得点に含まれるのは上位2つのライディングのみですので、いかにひとつひとつのライディングの評価を上げるかがポイントになってきます
採点に評価されるポイントは主に以下が上げられます
積極性と難易度の高さ
今まさに波が崩れそうなリスクが高い場所のクリティカルセクションと呼びます
クリティカルセクションで難易度の高いマニューバー※を行う事が重要な評価ポイントとなります
※マニューバーとはサーフボードが進んだ際に描かれた軌跡の事を指しますが、採点基準としては「波の上でボードの方向を変える事」と定義されています
マニューバーのコンビネーションとバリエーション
ライディングの中で大きくボードの方向が変わるマニューバーをメジャーマニューバーと呼び、バリエーション豊富に組み合わせる事が評価ポイントとなります
得意な技だからとひとつの技を繰り返すだけでは高得点にはつながりません
スピード、パワー、フロー
波の中にはパワーゾーンと呼ばれる最もその波のポテンシャルを引き出せるポイントがありそこを通る事でスピードを出すことができます
又、競技を見ていると選手たちがボードの方向転換をする度にボードから水しぶきがあがっている事が確認できると思います
この水しぶきは“スプレー”と呼ばれ、水しぶきの量が多く、大きいほどパワフルなサーフィンであると評価されます
特にクリティカルセクションは他のセクションと比べてマニューバーを行った際のスピードとパワーがはっきりとスプレーという水しぶきで視覚化されます
ライディングの一連の流れをフローと呼び、一筆書きの様な止まらず波に合ったマニューバーが評価ポイントとなります
主なメジャーマニューバー
ジャッジによる評価対象マニューバーですが、マイナーマニューバーとメジャーマニューバーがあります
簡単にいうとマイナーマニューバーは“位置調整の様なボードな方向転換”に対し、メジャーマニューバーは“ボードの急激な方向転換”となり、競技サーフィンの大きな見どころの一つとなります
ここでは主なマニューバーについて紹介していきます
ボトムターン
波のボトム(下側)でドライブのかかったターンの事です
角度が垂直に近いほど評価は高くなります
リエントリー
不安定なクリティカルセクションで、レールを使ったターンを行い再び波に戻ってくるターンの事です
カットバック
波の力が強いパワーゾーンが狭い時、マニューバーをつなぐ為に一度意図的にパワーゾーンから出て再び方向転換して戻ってくるターンの事です
チューブライド
チューブは波が割れてできたスペースに入り込みライディングを行うテクニックです
エアリアル
エアリアルはその名の通り、波から飛び出し波以外のところにマニューバーを描くテクニックになります
空中で、いかにコントロールされた方向転換ができているか、きれいな着水ができるかが見どころになります
優先権
競技サーフィンには知っておくと理解が深まるルールの一つとしてプライオリティというルールがあります
プライオリティとは優先権の事です
まずはこの動画を見てみてください
かなり有名な動画になりますが、黄色のゼッケン選手に優先権がある状態で波に乗ろうとしているのに対して、青色のゼッケンの選手が波に乗ってしまっています
ちなみに黄色のゼッケンが“ジョンジョン・フローレンス”、青のゼッケンが“ケリー・スレーター”です
二人とも神様の様なサーファーですのでなにか意図的なものがあったとは言われています
サーフィンで高いスコアを稼ぐには大前提としていい波に乗る必要があります
選手たちはこぞってそのポイントからテイクオフを決めようと躍起になります
タイミングによってはある選手のみがいい波に乗り続けることになる訳です
当然いい波を選ぶのも技術のひとつなのですが
それだけだと公平じゃないよね?安全の観点からも波の取り合いは避けたいよね?と生まれたルールがこのプライオリティになります
いい波が来るポイントはその日のコンディションや時間帯で決まってくる為、ジャッジが目視で確認した上でそのポイントを設定します
これをプライマリーテイクオフゾーンといいます
例えば4人ヒートの場合、一回波に乗ると優先権が4番目となります
残り3人が乗るまでそのポイントでは波に乗れなくなります
波に乗った順で優先権が決まっていき、残り3人が全員波に乗ると再び最初に乗った人に優先権が戻ってきます
通常のサーフィンではピーク優先となりますが、プライマリーテイクオフゾーンではピークに他選手がいたとしても優先権のある選手が、好きな波を好きな場所からテイクオフができます
別のポイントで乗る分には問題ないですが、その分波の質は下がるポイントとなります
ちなみに他の選手の優先権がある状態でプライオリティを無視して波に乗ってしまうとプライオリティインターフェアレンスという反則をとられます
その場合、自分のライディングの内、2番目に良い点数が全てカウントされなくなり、ベストな1つのライディングのみスコアがカウントとなり、かなり大きなペナルティとなります
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では主にオリンピックで採用されたサーフィンのショートボード競技を基準に書いています
ルール自体はほとんどの大会がサーフィン大会の最高峰である“World Surf League”の基準ルールに乗っ取って行われていますのでここで書かせて頂いた事を参考にサーフィン観戦を楽しめると思います
本当にサーフィンが好きになってくると、あの選手はセット(複数本くる大きな波)の何本目を狙っているなとか、すでにある程度の得点を取った優先権を持っている選手が他の選手をけん制しているなとか見えてくるようになり、違った楽しみ方もできると思います
ただ本質的にはサーフィンは自由なものなので、個人的には純粋に「さっきのライディングはすごくきれいだった」とか、「あんな不安定なところで急激なボードの方向転換できるのか」とか、「あんなに空中に高く飛んだり回ったりできるのか」とか楽しんでいただける人、サーフィンに関心をもっていただける人が増えていくとうれしいです
サーフィン観戦の一助になっていただければ幸いです
それでは!